「源氏物語」で知られる紫式部は、生涯で一度だけ京の都を離れて過ごしたことがあるという。現在の福井県越前市だ。生没年すらはっきりしないなど、今も謎が残る平安時代の作家だが、市内には彼女の人生の一コマを追体験できる場所がある。
「顔と体の向いている方向が少し違います。顔は地元の日野山、体は京都に向いているんです」
5月24日、市観光協会のボランティアガイド西岡義勝さん(78)が、観光客に説明していたのは、台座を含む高さ5メートルの紫式部像。全国でも珍しいという平安貴族の住居を模した寝殿造りの庭園の隅にあり、霊峰・日野山を望む。
「こんな住まいで何を思って…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル